第6回:Wikilinkでノートをつなぐ
ObsidianのWikilink形式を使い、すでにある二つのノートをつなぎます。候補の選択、リンク先への移動、未作成リンクによるアイデアの保存までを説明します。
前回は、はじめてのノートを作り、見出しや箇条書きを使って短いメモを書きました。
今回は、もう一つノートを作り、二つのノートをリンクでつなぎます。
Obsidianのリンクは、Webサイトへのリンクではありません。自分のVaultにあるノートから、別のノートへ移動するためのリンクです。
まずは、すでに存在するノート同士をつなぎ、画面上で何が起きるのかを確かめましょう。その後で、まだ作っていないノートへのリンクを扱います。
今回できるようになること
この記事を終えると、次のことができるようになります。
- 二つの既存ノートをWikilink形式でつなぐ
- 候補からリンク先を選び、
Enterキーでリンクを完成させる - リンク先のノートへ移動し、元のノートへ戻る
- まだ作っていないノートへのリンクを残す
- リンクを書いた時点では、ノートファイルが作られないことを理解する
今回は、バックリンク、未リンクメンション、グラフビューは扱いません。それぞれ後の回で、画面操作とともに説明します。
リンク先になるノートを先に作る
前回作ったVaultには、次のノートがあります。
はじめてのノート.md
リンクの動きを分かりやすくするため、先にもう一つノートを作ります。
左側のCreate new noteを選び、次の名前を付けてください。
AIと自分の考え
本文には、次のように書いてみましょう。
## 気になっていること
- AIの回答と自分の考えを、どう区別して残すか
- AIの回答を読んで、自分がどう判断したかも書きたい
これで、Vaultには二つのノートが存在します。
はじめてのノート.md
AIと自分の考え.md
最初にリンク先のノートを作ったのは、リンクを選んだときに、実在するノートへ移動することを確かめるためです。
Wikilink形式とは何か
Obsidianでは、ノート名を二重の角括弧で囲むと、そのノートへのリンクになります。
[[AIと自分の考え]]
この[[ノート名]]という書き方は、正式にはWikilink形式と呼ばれます。
一般的なMarkdown形式のリンクは、次のように書きます。
[AIと自分の考え](AIと自分の考え.md)
Obsidianはどちらの形式にも対応していますが、初期設定では、短く書けるWikilink形式を使います。
この段階では、二つの形式を使い分ける必要はありません。この講座では、まず[[ノート名]]を使ってノート同士をつなぎます。
候補から既存ノートを選ぶ
左側のファイル一覧から、はじめてのノートを開きます。
ノートの末尾に、次の見出しを追加してください。
## 関連するノート
その下で、キーボードから左角括弧の[を2回入力します。
[[
続けて、AIと入力します。
[[AI
入力した文字に合うノートの候補が表示されます。その中に、先ほど作ったAIと自分の考えがあります。
候補が選ばれていることを確認し、Enterキーを押します。
すると、次のWikilinkが挿入されます。
[[AIと自分の考え]]
後半の]]はObsidianによって補われるため、自分で入力する必要はありません。
ノートには、次のような形で残ります。
## 関連するノート
- [[AIと自分の考え]]
これで、はじめてのノートからAIと自分の考えへのリンクができました。
リンク先へ移動する
編集画面でリンクを開くには、WindowsとLinuxではCtrlキー、macOSではCmdキーを押しながら、AIと自分の考えのリンクをクリックします。
リンク先のノートが開きます。
はじめてのノート
↓
AIと自分の考え
リンクを作る前は、ファイル一覧からノートを探して開いていました。リンクを作ると、文章の中から関係するノートへ直接移動できます。
たとえば、読書メモから本のテーマへ移動する、会議メモからプロジェクトのノートへ移動する、旅行の記録から訪れた場所のノートへ移動するといった使い方ができます。
元のノートへ戻る
リンク先へ移動したら、画面左上にある左向きの矢印を選びます。
ブラウザの「戻る」と同じように、先ほど開いていたはじめてのノートへ戻ります。
はじめてのノート
↓ リンクを開く
AIと自分の考え
↓ 戻る
はじめてのノート
リンクと戻る操作を使うと、関係するノートを行き来しながら読み返せます。
もう一度、最初から試してみる
操作の流れをまとめます。
- リンク元の
はじめてのノートを開く [[と入力する- リンク先の名前の一部を入力する
- 候補から
AIと自分の考えを選ぶ Enterキーを押すCtrl、macOSではCmdを押しながらリンクをクリックする- 左向きの矢印で元のノートへ戻る
この一連の動きが、Obsidianでノート同士をつなぐ基本です。
リンクを手作業で最後まで入力することもできますが、候補から選ぶと、ノート名の入力間違いを減らせます。
まだ作っていないノートへリンクする理由
既存ノートへのリンクが使えるようになったところで、まだ作っていないノートへのリンクを試します。
ノートを書いたり読み返したりしていると、関連する問いやアイデアが浮かぶことがあります。
たとえば、AIと自分の考えを書いている途中で、次の疑問が生まれたとします。
AIを使うことで、学び方そのものも変わるのだろうか。
考えを深めたいテーマですが、今すぐ別のノートを書く時間はないかもしれません。そのままにすると、あとで忘れてしまう可能性があります。
そこで、「あとで一つのノートとして考えたい」という印として、Wikilinkを先に残します。
あとで、[[AI時代の学び方]]について考えてみたい。
AI時代の学び方というノートは、まだ存在しません。そのため、既存ノートへのリンクとは少し違う色で表示されます。
このようなリンクは、単に存在しないファイルを示すものではありません。書いている途中で生まれた問いを、将来のノート候補として忘れずに残すために使えます。
リンクを書いただけではファイルは作られない
[[AI時代の学び方]]と書いた時点では、AI時代の学び方.mdというファイルは作られていません。
左側のファイル一覧を確認してみてください。まだ、次の二つだけが表示されています。
はじめてのノート.md
AIと自分の考え.md
Wikilinkを書くことと、ノートファイルを作ることは別の操作です。
未作成リンクをWindowsとLinuxではCtrlキー、macOSではCmdキーを押しながらクリックすると、その名前のノートが作成されて開きます。
[[AI時代の学び方]]
↓ リンクを開く
AI時代の学び方.md が作成される
今すぐ内容を書きたい場合は、リンクを開いてノートを作ります。まだ考える時間がない場合は、リンクだけを残しておいてかまいません。
すべての言葉をリンクにしなくてよい
Wikilinkを覚えると、文章に出てくる言葉を次々にリンクしたくなるかもしれません。
しかし、すべての名詞をリンクにする必要はありません。
まずは、次のようなときに使えば十分です。
- すでに書いた関連ノートを読み返したい
- 今のメモが、別のテーマにも関係している
- あとで一つのノートとして考えたい問いが生まれた
リンクをいくつ作るべきかという正解はありません。実際に行き来したいノートや、忘れたくない問いをつなぐところから始めましょう。
今日の確認
[[AIと自分の考え]]へ移動できた- 左向きの矢印で、元のノートへ戻れた
[[AI時代の学び方]]は、クリックするまでファイル一覧に増えないと確認できた
今回の小さな課題
次の二つを試してください。
はじめてのノートから、既存のAIと自分の考えへリンクするAIと自分の考えに、まだ作っていないノートへのリンクを一つ残す
未作成リンクの名前は、自分があとで考えたいテーマに変えてかまいません。
[[読書メモをあとで使う方法]]
[[AIの回答を自分の言葉に直す]]
[[仕事で気づいたことを残す]]
リンクを書いた後に、ファイル一覧も確認してください。リンクを書いただけでは、新しい.mdファイルが作られていないことが分かります。
二つのノートを行き来するところから始める
今回は、二つの既存ノートをWikilink形式でつなぎ、リンク先へ移動して元のノートへ戻りました。
さらに、書いている途中で生まれた問いを、未作成リンクとして残しました。
Wikilinkの基本は、次の二つです。
- すでにあるノートへ移動する
- まだ形になっていない考えに、将来の入口を作る
最初から多くのリンクを作る必要はありません。まずは二つのノートを一つのリンクでつなぎ、実際に行き来できることを確かめてください。
次回は、フォルダ、タグ、リンクの役割を整理します。ノートが少しずつ増えてきたときに、何をどのように使い分ければよいのかを見ていきます。
参考リンク
-
Link notes - Obsidian Help Obsidianでノート同士をリンクする基本操作を説明している公式ヘルプです。 https://help.obsidian.md/link-notes
-
Internal links - Obsidian Help Obsidianの内部リンクとWikilink形式について説明している公式ヘルプです。 https://help.obsidian.md/links
-
Tabs - Obsidian Help Obsidianで複数のノートをタブとして開く方法を説明している公式ヘルプです。 https://help.obsidian.md/tabs