第5回:まずは書く——Obsidianでメモを残す基本

Obsidianで最初のノートを作り、見出し、箇条書き、太字、引用、チェックボックスを使って短いメモを残します。

前回は、Obsidianをインストールし、Obsidianという空のVaultを作りました。

今回は、そのVaultにはじめてのノートを作り、日々の気づきや調べたことを残してみます。

最初から長い文章を書く必要はありません。見出しを一つ作り、その下に一行書くだけでも、立派なメモです。

今回できるようになること

この記事を終えると、次のことができるようになります。

  1. はじめてのノートを作る
  2. ノートがMarkdownファイルとして保存されることを確認する
  3. 見出し、箇条書き、太字、引用、チェックボックスを使う
  4. 短いメモを気軽に残す

今回はリンク、フォルダ、タグによる整理は行いません。まずは、Obsidianを開いたら迷わず書き始められる状態を作ります。

はじめてのノートを作る

空のVaultに、最初のノートを一枚作ってみましょう。

左側にあるCreate new noteのボタンを選びます。キーボードを使う場合は、WindowsとLinuxではCtrl+N、macOSではCmd+Nを押しても作成できます。

ノート名は、次のようにします。日本語のノート名を使っても問題ありません。

はじめてのノート

名前を入力してEnterキーを押すと、本文を書けるようになります。

Obsidianでは、入力した内容が自動的に保存されます。一般的な文書作成アプリのように、書くたびに保存ボタンを押す必要はありません。

Markdownファイルが作られたことを確認する

WindowsのエクスプローラーまたはmacOSのFinderで、前回作ったVaultを開いてみましょう。

次のファイルが作られています。

Obsidian/
├─ .obsidian/
└─ はじめてのノート.md

環境によっては、拡張子の.mdが表示されず、はじめてのノートとだけ見えることがあります。それでも問題ありません。

Obsidianで作るノートは、このようにVaultの中へMarkdownファイルとして保存されます。

見出しで内容を区切る

はじめてのノートへ、次のように入力してみましょう。

## 今日気になったこと

AIの回答を保存するだけで、自分の知識になるのだろうか。

行の先頭に##と半角スペースを書くと、その行は見出しになります。

## 今日気になったこと
↑  ↑
記号  半角スペース

Markdownでは、#の数によって見出しの段階を表します。

# 大きな見出し
## その下の見出し
### さらに小さな見出し

Obsidianの初期設定ではノート名が画面上部に表示されるため、本文で同じ題名をもう一度#の見出しとして書く必要はありません。普段の短いメモなら、本文を##から始めてもかまいません。

箇条書きで断片を残す

考えがまだ文章になっていないときは、箇条書きが便利です。

先ほどの見出しの下へ、次のように書いてみましょう。

## 今日気になったこと

- AIの回答を保存しただけでは、質問した理由が残らない
- 自分が納得した点と疑問に思った点も書いたほうがよい
- あとで別の仕事に使える形にしたい

行の先頭に-と半角スペースを書くと、箇条書きになります。

一つの項目は、短い言葉だけでもかまいません。

- 読みたい本
- 調べたい言葉
- 試してみたい方法

順序がまだ決まっていない考えや、その場で浮かんだ断片を残すときに向いています。

大切な言葉を太字にする

特に大切な言葉を目立たせたいときは、文字の前後を半角のアスタリスク二つで囲みます。

ここは**大切なポイント**です。

Obsidianでは、**で囲んだ部分が太字で表示されます。強調が多すぎると、かえって要点が分かりにくくなるため、本当に目立たせたい箇所だけに使えば十分です。

引用と自分の考えを分ける

本やWeb記事などで見つけた文章をメモするときは、引用した部分と自分の考えを区別しておくことが大切です。

Markdownでは、行の先頭に>と半角スペースを書くと引用になります。

## 読んだ記事から

> 情報を保存することと、理解することは同じではない。

この記事を読んで、保存した後に自分の言葉で書き直す必要があると思った。

引用元がある場合は、書名、記事名、著者名、URLなども一緒に残しておきましょう。

出典:記事名、著者名、URL

引用符を付けることだけが目的ではありません。「どこまでが他者の言葉で、どこからが自分の考えか」を、あとで自分が見ても分かるようにするための書き方です。

チェックボックスで次の行動を残す

メモを書いていると、あとで調べたいことや試したいことが出てきます。

そのような項目は、チェックボックスにできます。

## 次にすること

- [ ] 読んだ記事のURLを記録する
- [ ] 自分の言葉で三行にまとめる
- [ ] 仕事で使える場面を一つ考える

- [ ]の後ろに半角スペースを置くと、未完了のチェックボックスとして表示されます。

終わった項目は、画面上のチェックボックスを選ぶことで完了状態にできます。Markdownでは、次のようにxが入った形になります。

- [x] 読んだ記事のURLを記録する

Obsidianを本格的なタスク管理アプリとして使う方法もありますが、今は「メモから生まれた小さな行動を忘れない」ために使えば十分です。

一つのノートにまとめてみる

ここまでの書き方を組み合わせると、次のようなノートになります。

## 今日気になったこと

- AIの回答を保存しただけでは、質問した理由が残らない
- 納得した点と疑問に思った点も書いたほうがよい

## 読んだ記事から

> 情報を保存することと、理解することは同じではない。

保存した後に、自分の言葉で書き直す必要があると思った。

出典:記事名、著者名、URL

## 次にすること

- [ ] 記事の要点を三行でまとめる
- [ ] 自分の仕事との関係を考える

これで十分です。文章として完成していなくても、何に関心を持ち、何を考え、次に何をしようとしたのかが残ります。

完成した文章を書こうとしない

メモを書く手が止まる理由の一つは、最初からきれいな文章にしようとすることです。

しかし、日々のメモは完成品ではありません。

- なぜ気になった?
- 前にも似た話を読んだ気がする
- 仕事の説明資料に使えるかもしれない

この程度の断片でもかまいません。

誤字があっても、話が途中でも、見出しが一つしかなくても問題ありません。まず残しておけば、あとで読み返し、書き足し、別のノートへ育てられます。

今回の小さな課題

はじめてのノートへ、次のうちどれか一つを書き加えてみてください。

  • 今日気づいたこと
  • あとで調べたいこと
  • 忘れたくない言葉
  • 次にすること

一行で十分です。見出し、箇条書き、引用、チェックボックスのうち、内容に合う書き方を一つ選んでください。

まず書けば、あとから育てられる

今回は、はじめてのノートを作り、見出し、箇条書き、太字、引用、チェックボックスを使いました。

最初の段階では、書いた内容が短くても、整理されていなくてもかまいません。

まず書く。あとで読み返す。残したいものを少しずつ育てる。

この順序なら、整理の仕組みを考えることに時間を使いすぎず、Obsidianを日々の記録に使い始められます。

次回は、二つの既存ノートをWikilink形式でつなぎます。リンクの候補を選ぶ操作や、リンク先へ移動する方法を、実際の画面で確かめていきます。

参考リンク