第8回:検索、バックリンク、未リンクメンションでノートを見つけ直す

Obsidianの検索、バックリンク、未リンクメンションを使い、以前書いたノートや、まだリンクされていない関係を見つけ直す方法を説明します。

前回は、フォルダ、タグ、リンクの役割を整理しました。

ノートが増えてくると、ファイル一覧を眺めるだけでは、目的のノートを見つけにくくなります。

「以前、AIについて書いた気がする」

「このノートへ、どこからリンクしたのだろう」

「同じ名前を書いたのに、リンクを付け忘れたノートはないだろうか」

Obsidianでは、検索、バックリンク、未リンクメンションを使って、過去のノートや見落としていた関係を見つけ直せます。

今回できるようになること

この記事を終えると、次のことができるようになります。

  1. キーワードでノートを検索する
  2. タグが付いたノートを検索する
  3. バックリンクから、現在のノートへリンクしているノートを確認する
  4. 未リンクメンションから、リンクされていないノート名の言及を見つける
  5. 見つけた言及をWikilinkへ直す

検索条件を組み合わせる高度な方法は、まだ扱いません。まずは一つの言葉から、過去に書いた内容へ戻ることを目指します。

練習用のノートを二つ追加する

現在のメモフォルダには、次の二つのノートがあります。

メモ/
├─ はじめてのノート.md
└─ AIと自分の考え.md

検索、バックリンク、未リンクメンションの違いを確認するため、練習用のノートを二つ追加します。

AIを使った学習

新しいノートを作り、名前を次のようにします。

AIを使った学習

本文には、AIと自分の考えへのWikilinkを含む文章を書きます。

## 今日考えたこと

AIに答えを聞くだけでなく、自分がどう判断したかも残したい。

この問題は、[[AIと自分の考え]]にも関係している。

仕事でAIを使う

もう一つ新しいノートを作ります。

仕事でAIを使う

本文には、同じノート名を、Wikilinkにせず普通の文字として書きます。

## 気づいたこと

仕事でAIを使うときも、AIと自分の考えを区別する必要がある。

ここにあるAIと自分の考えは普通の文字です。二重の角括弧で囲んでいないため、リンクにはなっていません。

作成した二つのノートも、前回のメモフォルダへ入れておきます。

メモ/
├─ はじめてのノート.md
├─ AIと自分の考え.md
├─ AIを使った学習.md
└─ 仕事でAIを使う.md

キーワードで検索する

まず、AIという言葉が書かれているノートを探します。

左側のサイドバーにある虫眼鏡のSearchを選びます。

キーボードでは、WindowsとLinuxはCtrl+Shift+F、macOSはCmd+Shift+Fで検索を開けます。

検索欄に、次の言葉を入力してください。

AI

検索結果には、AIという言葉が書かれているノートが表示されます。

はじめてのノート
AIを使った学習
仕事でAIを使う

このほかにも、これまでにAIと書いたノートがあれば結果に加わります。

結果を選ぶと、そのノートが開きます。検索結果に表示された本文の一部から、AIがどのような文脈で使われているのかも確認できます。

検索は、ノートを置いたフォルダを思い出せないときにも役立ちます。内容に含まれていた言葉を一つ思い出せれば、候補を探せます。

長い言葉をそのまま検索する

次に、検索欄へ次の言葉を入力します。

AIと自分の考え

検索結果には、本文にこの言葉を含むノートが表示されます。

  • はじめてのノート
  • AIを使った学習
  • 仕事でAIを使う

この三つのノートには、Wikilinkまたは普通の文章としてAIと自分の考えが書かれています。

検索は、リンクされているかどうかに関係なく、本文に書かれた言葉を手がかりに探します。

タグが付いたノートを探す

前回、AIと自分の考えに次のタグを付けました。

#考え中

検索欄にタグを入力しても、そのタグが付いたノートを探せます。

tag:#考え中

検索結果にAIと自分の考えが表示されます。

普通のキーワード検索は、本文中にその言葉があれば結果へ含めます。tag:を付けた検索は、タグとして#考え中が付いているノートに絞ります。

今回は、この二つを覚えれば十分です。

AI
tag:#考え中

複数の条件を組み合わせる方法は、ノートが増え、必要になった段階で覚えればかまいません。

バックリンクとは何か

次に、AIと自分の考えを開きます。

このノートには、ほかのノートからリンクが向けられています。

はじめてのノート ──────→ AIと自分の考え
AIを使った学習 ───────→ AIと自分の考え

このように、現在のノートへ向けられたリンクをバックリンクと呼びます。

通常のリンクを見ると、「このノートから、どこへ移動できるか」が分かります。

バックリンクを見ると、「どのノートから、ここへつながっているか」が分かります。

リンク
現在のノート → 別のノート

バックリンク
別のノート → 現在のノート

バックリンクを表示する

AIと自分の考えを開いた状態で、右側のサイドバーにあるBacklinksタブを選びます。

Backlinksタブが見当たらない場合は、コマンドパレットから表示できます。

  1. WindowsとLinuxはCtrl+P、macOSはCmd+Pを押す
  2. Backlinks: Show backlinksを検索する
  3. コマンドを選んでEnterキーを押す

バックリンクには、Linked mentionsUnlinked mentionsという二つの欄があります。

まず、Linked mentionsを開いてください。

ここには、AIと自分の考えへWikilinkを作ったノートが表示されます。

はじめてのノート
AIを使った学習

表示された箇所を選ぶと、リンク元のノートへ移動できます。

バックリンクがあると、現在のノートが過去にどのような文脈で使われたのかを、リンク元へ戻って確認できます。

未リンクメンションとは何か

同じバックリンク画面にあるUnlinked mentionsを開きます。

未リンクメンション(Unlinked mentions)は、現在のノート名が別のノートに書かれているものの、Wikilinkにはなっていない箇所です。

今回の例では、仕事でAIを使うに次の文章を書きました。

仕事でAIを使うときも、AIと自分の考えを区別する必要がある。

AIと自分の考えという文字はありますが、次の形にはなっていません。

[[AIと自分の考え]]

そのため、Linked mentionsではなく、Unlinked mentionsに表示されます。

未リンクメンションを見ると、「以前このノート名を書いたのに、リンクを付けていなかった」という関係を見つけられます。

未リンクメンションをリンクへ直す

未リンクメンションが見つかっても、すべてをリンクにする必要はありません。

文章を読んで、実際に現在のノートと関係があるかを確認します。

今回の仕事でAIを使うは、AIと自分の考えと関係しています。そこで、ノートを開き、普通の文字をWikilinkへ書き換えます。

仕事でAIを使うときも、[[AIと自分の考え]]を区別する必要がある。

もう一度AIと自分の考えのバックリンクを確認します。

仕事でAIを使うは、Unlinked mentionsからLinked mentionsへ移ります。

Linked mentions
├─ はじめてのノート
├─ AIを使った学習
└─ 仕事でAIを使う

この操作によって、リンクを付け忘れた言葉を、あとから意味のあるつながりへ変えられます。

検索とバックリンクの違い

検索とバックリンクは、どちらも過去のノートを見つける機能ですが、探し方が違います。

機能何を手がかりにするか今回の例
検索入力した言葉やタグAItag:#考え中
バックリンク現在のノートへ向けられたリンク[[AIと自分の考え]]を含むノート
未リンクメンション現在のノート名と同じ、リンクされていない文字普通の文字で書かれたAIと自分の考え

検索は、「どこに書いたか分からないが、この言葉は覚えている」というときに使います。

バックリンクは、「いま開いているノートが、ほかのどのノートとつながっているか」を知りたいときに使います。

未リンクメンションは、「つながる可能性があるのに、まだリンクされていない記述」を探す手がかりになります。

すべての検索結果を整理しなくてよい

検索すると、同じ言葉を含むノートが多く見つかることがあります。

未リンクメンションにも、同じ名前を使っただけで、実際には関係の薄い文章が含まれる場合があります。

検索結果が出たからといって、すべてを読み直したり、すべてにリンクを付けたりする必要はありません。

いま必要なノートを開く。関係が明確なものだけをつなぐ。それで十分です。

Obsidianの目的は、リンクの数を増やすことではありません。必要なときに過去の記録へ戻り、現在の考えに役立てることです。

今回の小さな課題

次の三つを試してください。

  1. 自分のノートに書いた言葉を一つ検索する
  2. AIと自分の考えLinked mentionsを確認する
  3. Unlinked mentionsにある一つの記述を、必要ならWikilinkへ直す

検索する言葉はAIでなくてもかまいません。

学習
仕事
読書
考え中

自分が以前書いたことを思い出せる言葉を一つ選んでください。

書いたノートへ戻れるようにする

今回は、検索、バックリンク、未リンクメンションを使いました。

  • 検索は、覚えている言葉からノートを探す
  • バックリンクは、現在のノートへリンクしているノートを探す
  • 未リンクメンションは、リンクされていないノート名の言及を探す

ノートは、書いた時点で完成するものではありません。時間がたってから検索し、以前の記録へ戻ることで、現在の問いと結びつくことがあります。

書くことと同じくらい、書いたものへ戻れることが大切です。

次回は、Obsidianのコアプラグインであるデイリーノートを使い、日付ごとに短い記録を残す方法を扱います。

参考リンク